「OC人気自体は減少していますけどね」——Z97のR.O.G.現行最上位「MAXIMUS VII FORMULA」が登場
お盆シーズンに登場した新製品では、ASUSTeKのZ97マザー「MAXIMUS VII FORMULA」が特に注目を集めていた。ゲーミング&オーバークロック向けブランド「R.O.G.」に属する製品で、価格は4万6000円前後となる。現在出回っているZ97世代のR.O.G.モデルのなかでは最上位の位置づけだ。
MAXIMUS VII FORMULAは、水冷対応のヒートシンクや基板を保護するカバー「ROG Armor」を備え、CPU回りの電源回路に「Extreme Engine Digi+ III」、サウンド回りに「SupremeFX Formula 2014」を採用するなど、多数の付加技術を盛り込んでいる。M.2やSATA Expressにも対応し、IEEE802.11acとBluetoothに対応するアダプタも付属する。全体的に2013年9月に登場したZ87世代の「MAXIMUS VI FORMULA」(4万3000円前後)の機能を踏襲して強化した仕様になっている。
いくつかのショップでは入荷後まもなく売り切れるほどの反響があり、出足は順調な様子だ。BUY MORE秋葉原本店は「各部の熱がこもりにくい作りになっているので、Devils Canyonなどでオーバークロックを楽しみたい人にはかなり頼もしいマザーだと思います」と語る。
ただし、マザーのトレンドの中心から出たヒット作という構図ではないらしい。BUY MORE秋葉原本店は続けて、「最近は電気代が高騰したり、クロックを引き上げるうま味が相対的に減ったりして、そこまでオーバークロックに注目する人は多くない印象です。そのため、(オーバークロック向けの付加価値が高い)Z97より、コスパのいいH97マザーのほうが全体的に売れていますから」と話していた。
複数のショップで聞いたところ、マザーボードの売れ筋の価格帯は1万円から2万円で、ラインアップの多さからATXタイプが主流になっているが、Micro ATXやmini-ITXなどの小型タイプの需要が増しているといった話が多かった。このラインなら、1万5000円以下でもインテルLANを搭載したり、高品質なサウンドチップを搭載したりといった付加価値が複数盛り込めるH97マザーが有利な状況も頷ける。某ショップは「とりあえず全部入りのZ97を、という雰囲気ではなくなってきているのは感じますね」とつぶやいていた。
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