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4K機器の“落とし穴”――4Kプレミアム映像の音に注目

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 4Kパネルを使ったテレビも市場に定着しはじめ、中上位モデルに4Kパネル採用機が増えてきただけでなく、東芝やシャープの40V型などサイズのバリエーションも増えてきている。やや価格は下がり気味だが、このところ良いニュースのなかったテレビ業界にとって明るい材料といえるだろう。

ts_dcp03.jpgts_dcp04.jpg東芝「40J9X」(左)とシャープ「LC-40U20」(右)。サイズの選択肢も広がってきた

 単に安価にテレビが入手できればいい……という消費者には、すでに十分に低価格なフルHDテレビが存在する。一方、低価格化が進みすぎて高品位な製品が欲しくてもラインアップから消えてしまっていた……と嘆いていた映像ファンにとって、高付加価値製品の選択肢が生まれたことは良いことだ。

 筆者もリビングルームの「KURO」(パイオニア製プラズマテレビ)を入れ替える気にはまだなれないが、書斎兼パーソナルルームにはレグザの「40J9X」を導入したいと考えている。その理由は、40J9XがPCをつないでも、テレビ放送やBlu-ray Discを楽しむうえでも、そして今後の4Kコンテンツを楽しむにも、個人の部屋にはピッタリのサイズと仕様だと思うからだ。これでPCとの接続にDisplayPortが使えればベストだろうが、今のところ、そうしたモデルは他社にも存在しない。

 先日、シャープが同じく40V型の4Kテレビ「LC-40U20」を発表したが、今後は他メーカーにも是非追従してほしい領域だ。確かに4Kテレビ主戦場のアメリカや中国では人気の出にくいサイズだが、欧州では通用するかもしれない。

 と、やや話が脱線したが、今回は4Kテレビと4Kコンテンツを再生する装置の接続に関しての話をしたい。すでにご存知の方もいるだろうが、ここには1つ“落とし穴”があるからだ。しかし、落とし穴は存在が分かっていれば、避けることもできる。

4K映像を楽しむために必要なHDCP

 4Kテレビ市場は徐々に広がりを見せ、またNexTV-Fによる4K実験放も始まった昨今、4K放送対応チューナーの導入を検討している方もいるのではないだろうか。また近い将来を考えれば、インターネットを通じた4K映像のダウンロード配信、あるいはストリーミング配信などを受けるためのセットトップボックス(STB:テレビに接続する映像受信用装置の一般呼称)なども登場する可能性があるだろう。

ts_4ktest04.jpg4K試験放送対応チューナーを搭載したシャープのHDDレコーダー「TU-UD1000」

 さて、昨年末よりにわかに話題になっていたため、4K映像を楽しむために「HDCP 2.2」という規格への対応が必要ということをご存知のかたもいるだろう。HDCPはコンテンツ保護を目的としたものだが、例えば「Blu-ray Discの映像は暗号化されて記録されている」といったソフトウェアの仕様ではなく、ハードウェア同士を接続する際に、その間のケーブルを通る信号を暗号化する仕組みだ。

 この技術が必要な理由は、例えばプレイヤーとディスプレイの間に流れる信号をモニターして映像を取り出すことを防ぐためだ。一般消費者がカジュアルにコピーすることを防ぐ技術というよりは、主に組織的に映像を盗んで販売することを防ぐために必要とされている。

 しかし、広く普及しているHDCP 1.4という技術は、コネクター部を加工することでコンテンツ保護が破られており、しかもその方法もネットで簡単に検索できるようになってしまった。このためHDCP 2.0が考案され、さらに強化したHDCP 2.2が最新版になっている。

 Blu-ray Discをはじめ、フルHDコンテンツに関しては、業界内でHDCP 1.4以上を使うことがコンセンサスとなっているため、これがHDCP 2.2必須となることは今後もない。しかし、4K映像に関してはこれからのビジネスとなるため、ハリウッドを中心とするプレミアム映像の供給元は、HDCP 2.2を使った接続でなければ4Kのプレミアム映像をケーブル内に流してはいけませんよ、としている。

ts_dcp02.jpgHDCPの規格を策定しているDCP,LLCのWebサイト

 各社が昨年発売した4Kテレビのうち、HDCP 2.2に対応していなかった製品のアップグレードを行ったりしているのはこのためだ。それ以前の製品に関しても、アップグレードが実施されているものもある。例えばテレビではないが、筆者が使っているソニーの4K対応プロジェクター「VPL-VW1000ES」は、アップグレードでHDCP 2.2対応の新型「VPL-VW1100ES」相当になる(さらに映像回路も新しくなるので、画質も大幅に向上する)。

 4Kチューナーや4K配信対応STBなど、これから増加することが期待される4K映像機器を接続するためには必須なのだが、”落とし穴”と言っているのは、別の部分。映像を送り出す側の問題だ。

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