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OneDrive大容量化はGoogleのおかげ?
Windows標準のオンラインストレージといえば、Microsoftが自ら提供する「OneDrive」だ。2014年7月に無料で利用できる基本ストレージ容量が従来の7Gバイトから15Gバイトに引き上げられるとともに、追加容量の月額料金(税込)も100Gバイトで190円(従来は799円)、200Gバイトで380円(同1199円)に値下がりし、使い勝手が向上した。
さらに、(日本ではまだ提供されていないが)コンシューマー版のOffice 365 Home/Personalと、エンタープライズ版のOffice 365 for Businessのいずれかを問わず、Office 365のサブスクリプション契約ユーザーであれば、1Tバイトものストレージ容量が利用可能になっている。
コンシューマー版の場合、米国での価格で月額にして9.99ドル(Home)もしくは6.99ドル(Personal)の料金が発生するが、これでOffice 365の基本サービスと1Tバイトのストレージが利用できるのは、なかなかお得だ。少なくともOffice 365を利用し続ける限りは1Tバイトのオンラインストレージがついてくるわけで、これを活用しない手はない。
日本でのコンシューマー向けOffice 365の提供は2014年内とされており、まだしばらく先だが、今のうちに1Tバイトのストレージ空間をどのように活用するか考えておくのもよいだろう。
なお、今回突然降ってわいたように見える「1Tバイト」のオンラインストレージだが、背景にはライバルであるGoogleの対応がある。Googleは2013年にGoogle DriveとGmailの無料ストレージ容量をまとめて15Gバイトとし、Google Apps併用の場合は30Gバイトを利用できるようにした。
今春にはこれらGoogleのサービスで利用可能な追加ストレージ容量の大幅値下げに踏み切っており、100Gバイトで月額1.99ドル、1Tバイトで9.99ドル、10Tバイトで99.99ドルといった具合だ。それ以前が100Gバイトで4.99ドル、1Tバイトで49.99ドルだったため、5分の1まで値下げされたことになる。
つまり、OneDriveの値段水準はGoogleのサービスに合わせた可能性が高く、今後もどちらかといえば現状維持または値下げされる傾向にあることが想像できる。
少しライバル各社のサービスと比較してみると、古くからオンラインストレージサービスを提供しているDropboxの場合、無料アカウントの基本サイズは2Gバイトなものの、友人への紹介など複数の手段を組み合わせることで最大16Gバイトの無料ストレージが得られる。これらの数字と比べると控えめだが、iCloudを戦略の柱に据えつつあるAppleの場合、5Gバイトまでの無料ストレージが利用可能だ。
つまり、オンラインストレージを料金プランや容量で見ると、MicrosoftとGoogleが全体的にお得感がある。Office 365サービスの契約を前提に、1Tバイトのオンラインストレージを手に入れるのは悪くない選択肢だろう。
1Tバイトのオンラインストレージを使いこなす
さて、今回の本題は1Tバイトのストレージ空間を何に活用するかだ。前回も紹介したように、筆者はOneDriveを仕事用ファイルの受け渡しや友人への画像・動画の公開に利用しているが、現時点で7Gバイト程度しか利用していない。1Tバイトをフル活用するには、少なくとも10倍以上ものデータをOneDriveに持ってくる必要がある。
作業データの内訳を見ると、例えばメールの保存先として考えた場合、Gmailの本格運用を開始して6年間での使用量は7Gバイトほど、6年ぶんの原稿を保存したフォルダの容量が10Gバイトで、資料関係では100Gバイト弱、過去10年間に撮影した写真に至っては1.8Tバイトに達しており、間もなく2Tバイトの大台に突入する。
つまり、利便性などを考えてOneDriveに保存できるのは、原稿と資料のデータ、そして作業中の写真データに限られており、「帯に短したすきに長し」というか、微妙に持て余す印象を受ける。やはり、「簡単に外部公開できる」「デバイス間でのアクセスが容易」という辺りの特徴を生かす使い方がよさそうだ。
次のページから具体的な活用例を見ていこう。
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