各MVNO事業者が提供する“格安SIM”や“格安スマホ”のバリエーションが増える一方、SIMロックフリー端末もそのラインアップが豊富になってきた。ユーザーにとって、そもそもどのような端末があるのか把握しづらい状況になってきたので、国内で入手できるSIMロックフリーのスマートフォンとタブレットを一覧表でまとめた。各端末は価格帯別に並んでいる。なお、本体価格は購入場所によって多少異なるが、公式オンラインストア、家電量販店、MVNOでの販売価格をそれぞれ参考にしている(税別)。現時点で網羅しているのはスマートフォン15機種、タブレット10機種の計25機種だ。
価格は1万円以下から8万円以上まで 2万円台が主流
本記事では、提供メーカーや画面サイズ、本体サイズ、重さなどの基本的なスペックを紹介する。
「音声通話」の項目はIP電話(050番号)のみの対応は「−」とした。「セット販売している主な格安SIMサービス」は、当然ほかのMVNOのSIMカードを挿しても構わない。
スペックについては発売前の端末もあり、今後変更される場合もある。またiPhoneのように一部スペックが公表されていないものでも、分かる範囲で記載した。
本体価格(一括) | 端末名 | セット販売している主な格安SIMサービス | メーカー・販売 | 音声通話 | 画面サイズ (解像度) | 本体サイズ (幅×高さ×厚さ) | 重量(約) | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1万円以下 | 9800円(8/2発売) | freetel priori | U-mobile | プラスワン・マーケティング | ○ | 3.5型 (480×320) | 61.5×116.5×11.3ミリ | 109グラム |
1万円台 | 1万7800円 (9月上旬発売) | freetel nico | 未定 | プラスワン・マーケティング | ○ | 5型 (1280×720) | 72×145.5×8.85ミリ | 未定 |
1万8843円 | FleaPhone CP-F03a | BIC SIM、b-mobile | Covia | ○ | 4.5型 (960×540) | 66.5×131.2×9.9ミリ | 140グラム | |
1万9800円 (キャンペーン) | 見守りフォン 3.0 | OCNモバイルONE、U-mobile、Servers Man | マザーコンシェルジュ | ○ | 3.5型 (480×320) | 60×115×11ミリ | 111グラム | |
2万円台 | 2万4796円 | StarQ Q5001 | BIC SIM、b-mobile | TJC | ○ | 5型 (1280×720) | 73.5×145×8.95ミリ | 143グラム |
2万6667円 | LINEAGE | − | クロスリンクマーケティング | ○ | 5型 (960×540) | 70×142×7.9ミリ | 132グラム | |
2万7980円 | Venue 8 Pro | − | デル | − | 8型 (1280×800) | 130×216×9ミリ | 395グラム | |
2万9800円 (8/29発売) | freetel LTE XM | 未定 | プラスワン・マーケティング | ○ | 5型 (1280×720) | 70.4×142.3×7.8ミリ | 132グラム | |
2万7999円 | PolaSma | BIGLOBE LTE・3G | クロスリンクマーケティング | ○ | 5型 (960×540) | 70×142×7.9ミリ | 152グラム | |
2万8380円 | YOGA TABLET 8 | IIJmio、OCNモバイルONE | レノボ | − | 8型 (1280×800) | 144×213×3.0〜7.3ミリ | 404グラム | |
2万9800円 | Ascend G6 | U-mobile | Huawei | ○ | 4.5型 (960×540) | 65.3×131.2×7.85ミリ | 115グラム | |
2万9800円(予定) | MediaPad M1 | 未定 | Huawei | ○ | 8型 (1280×800) | 120.7×214.4×7.9ミリ | 329グラム | |
3万円台 | 3万4080円 | LG G2 mini | スマホ電話SIMフリーData、BIGLOBE LTE・3G | LG | ○ | 4.7型 (960×540) | 66×129.6×9.8ミリ | 121グラム |
3万4500円 | Fonepad 7 LTE | hi-ho | ASUS | ○ | 7型 (1280×800) | 120×196.8×10.5ミリ | 333グラム | |
3万9800円 | Nexus 7(2013) | ぷららモバイル、OCNモバイルONE、BIGLOBE LTE・3G、So-netモバイルLTE、ozzioモバイルLTE | − | 7型 (1920×1200) | 114×200×8.65ミリ | 299グラム | ||
3万9800円(予定) | MediaPad X1 | 未定 | Huawei | ○ | 7型 (1920×1200) | 103.9×183.5×7.18ミリ | 239グラム | |
3万9800円〜 | Nexus 5 | − | ○ | 4.95型 (1920×1080) | 69.17×137.84×8.59ミリ | 130グラム | ||
4万円台 | 4万2800円 | iPad mini | − | Apple | − | 7.9型 (1024×768) | 134.7×200×7.2ミリ | 312グラム |
4万9800円(予定) | Ascend P7 | 未定 | Huawei | ○ | 5型 (1920×1080) | 68.8×139.8×6.5ミリ | 124グラム | |
5万円台 | 5万800円 | iPad Retina | − | Apple | − | 9.7型 (2048×1536) | 185.7×241.2×9.4ミリ | 662グラム |
5万1800円〜 | iPad mini Retina | − | Apple | − | 7.9型 (2048×1536) | 66.5×131.2×9.9ミリ | 341グラム | |
5万7800円〜 | iPhone 5c | − | Apple | − | 4型 (1136×640) | 59.2×124.4×8.97ミリ | 132グラム | |
6万円台 | 6万1800円〜 | iPad Air | − | Apple | − | 9.7型 (2048×1536) | 169.5×240×7.5ミリ | 478グラム |
6万7800円〜 | iPhone 5s | − | Apple | − | 4型 (1136×640) | 58.6×123.8×7.6ミリ | 112グラム | |
8万円以上 | 8万3330円 | TORQUE SKT01 | DIS mobile LTE | 京セラ | ○ | 4型 (800×480) | 69×129×13.7ミリ | 169グラム |
まず安さ重視で見ていくと、ベンチャー系のプラスワン・マーケティングが手がける「freetel」シリーズ、特に9800円の「freetel priori」が目を引く。画面サイズは3.5型(480×320ピクセル)と小さく、スペックもあまり期待はできないが、待受中心の使い方であれば十分だろう。携帯性を重視する人にも扱いやすい。なお、マザーコンシェルジュの「見守りフォン」もfreetelの端末だ。
価格が2万円台になると、4〜5型の端末が主流になってくる。安さ重視なら、4.5型で2万円を切るCoviaのFleaPhoneがおすすめ。5型のStarQは約2万5000円。
タブレット狙いなら、ユニークな形のレノボ「YogaTablet 8」、発売が待たれるHuaweiの「MediaPad M1」に期待したい。画面サイズはどちらも8型で2万円台に収まり、音声通話もできる。
超メジャーと言えるSIMフリー端末、「Nexus」シリーズや「iPhone」シリーズ、「iPad」シリーズは3万円台後半から6万円台後半と、やはり高価だ。初心者におすすめなのは、MVNOとのセット売りが豊富なGoogleタブレット「Nexus 7(2013)」だろう。
高価な端末といえば8万円台で他を圧倒する京セラの「TORQUE SKT01」。米国防総省の物資調達規格MILスペック(MILITARY STANDARD 810G)に準拠しており、防水、防塵(じん)、耐衝撃のほか、耐振動、防湿、塩水への耐久性能などを備えるタフネススマホだ。建設業や物流業などの現場での使用を想定したものだが、個人での利用も可能。こだわりのある人におすすめの端末だ。
b-mobileやビッグローブが発売するLGエレクトロニクスの「LG G2 mini」も、3万円台で買えるバランスのとれた4.5型スマホとして有力候補となっている。
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