米Appleが書籍推奨サービスを手掛ける米新興企業BookLampを買収したと、米TechCrunchが7月25日(現地時間)に報じた。
Appleはこの件について、メディア各社に「Appleは小規模なテクノロジー企業を買収することがあるが、通常その目的や計画については公表しない」という、買収を暗に認める定形コメントを送った。
TechCrunchによると、買収総額は1000万〜1500万ドルという。
BookLampは2007年創業のアイダホ州ボイジーに拠点を置く非公開企業。書籍のテキストデータを独自のアルゴリズムで解析し、読者の好みに合わせて書籍を推奨する「Book Genome Project」を開発していた。例えば、「ダ・ヴィンチ・コード」の内容は宗教関連18.6%、殺人関連9.4%、美術関連8.2%、秘密結社関連6.7%を含むと分析し、同書を好きな読者に同じような内容構成の作品を推奨する。
BookLampはこの4月にデモとして提供していたBooke Genome Projectを終了し、Webサイトには終了の理由についての説明もなく、感謝のメッセージを表示している。
Appleは電子書籍ストア「iBookstore」および電子書籍アプリ「iBooks」を提供しており、BookLampの技術をこれらのサービスに統合するとみられる。
電子書籍ビジネスでAppleと競合する米Amazon.comは紙の書籍で培った推奨技術に加え、昨年3月にソーシャル読書サービスのGoodreadsを買収し、電子書籍サービスKindleで利用できるようにしている。
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