ITアナリストとコンサルタントの予測の方向は、その時点の流行の風潮や資金の提供先の意向に、明らかに左右されることが往々にしてある。アナリストやコンサルタントが画期的な提案をしたり論争を巻き起こしたりすることはめったにない。そんな中、老舗のコンサルタント会社である米McKinseyの精鋭が、現存のテクノロジーが秘めている力を極限まで発揮したとすると、世界はどう変わるのか、包括的で信頼性の高い展望の概略を発表した。
経営コンサルタント会社、McKinsey & Companyの調査部門であるMcKinsey Global Instituteが最近発表したリポートが評判になっている。「Disruptive technologies:Advances that will transform life, business and the global economy」(未来を変えるテクノロジー:生活、仕事、世界経済を変える先駆け)と題して、同社は「現在から2025年までの間に、経済価値を根底から覆すほどの圧倒的に大きな影響力を持つ」と予測されるテクノロジーを特定するリポートをまとめた。
ITベースのテクノロジー、または安価なマイクロプロセッサの通信機能や演算能力が現状ほどに進化しなければ存在しなかったテクノロジー全体の中で、リストの筆頭に挙げられたのが“インターネットのモバイル化”である。世界を揺るがす12のテクノロジーとして“ロボット工学”“再生可能エネルギー”“ゲノム配列”なども選ばれた。これらのテクノロジーをさしおいて、インターネットのモバイル化が最も注目度の高いテクノロジーとして選ばれたのは、クラウド、モバイルアナリティクス、コンシューマライゼーションなど、企業幹部やITの専門家が現在直面している大きな問題に対する関連性が深く、これらを解決するカギとなる可能性を秘めている期待されていることが一因となっていると考えられる。
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