ここ最近、Windows関連で日本市場をターゲットとした施策の発表が相次いでいる。
これを「ローカライズ」という言葉で表すと、表示言語の変更や、地域事情に応じた一部機能の改造を想像するかもしれない。しかし、実際には市場のニーズに応じて機能やサービスを追加し、さまざまなキャンペーンを巡らすなど、より地域に根ざしたマーケティングが行われているのが実情だ。
今回は、米Microsoftの日本法人である日本マイクロソフトが独自に開発してユーザーに提供している興味深いキャンペーンの数々をまとめて見ていこう。
2014 FIFAワールドカップを専用アプリで楽しむ「リアサカLIVE」
日本マイクロソフトが2014年5月30日に発表した「すぽレット キャンペーン」の一環として提供されるのが「リアサカLIVE」アプリだ。
「すぽレット」とは「スポーツ+タブレット」の組み合わせで、タブレットと一緒にスポーツ観戦を楽しもうというもの。現在、2014 FIFAワールドカップの予選リーグが行われているが、このうち日本代表が含まれるCグループの試合データを「リアサカLIVE」のWindowsストアアプリから無料で参照できるキャンペーンを展開している。
今回は6月20日に開催された日本対ギリシャの試合を実際に「リアサカLIVE」アプリで観戦してみた。「リアサカLIVE」アプリを試してみたのは、東芝の8型Windowsタブレット「dynabook Tab VT484」で、開発コード名「Bay Trail-T」のAtom Z3740(1.33GHz/最大1.86GHz)を搭載したごく標準的な軽量タブレットだ。
キャンペーン期間中ということで、「リアサカLIVE」の当該試合のデータを参照可能になっている……とはいうものの、このデータを参照できるのは「試合時間内のみ」という制限があり、事前に選手データや結果一覧を参照できないのは少々残念なところだ。
また、この日に限って日本マイクロソフトは「Xbox One」の日本展開に関する早朝発表会を設定しており、同日午前7時キックオフの試合を終了まで見ていると、会場から家までが遠い筆者では発表会に間に合わない。
そこでキックオフを見届けたらすぐに家を出て、発表会場となっている秋葉原UDXのスポーツバーで残り試合をテレビ観戦することにした。筆者はワンセグ再生環境がないうえ、仮に再生環境があったとしてもトンネル区間があるため、基本的に移動中のテレビ放送は視聴できない。試合経過はアプリが頼りだ。
実際に「リアサカLIVE」アプリを試してみたところ、控えを含むメンバーの詳細なデータのほか、ボール支配率やシュート数といったライブ情報を参照できた。一方で試合の流れがアプリではまったく分からないため、基本はテレビ中継、あるいはTwitterのタイムラインで流れてくるリアルタイム情報が必要だ。
結局のところ、後半戦最後の佳境で秋葉原に到着するまで、レッドカードでのギリシャメンバー退場や選手交代があった以外の情報はよく分からなかった。テレビ観戦したスポーツバーは出社前に試合を見届けたいという人でにぎわっており、アプリの画面を見ずとも状況がよく伝わってくる。
実際に使ってみて分かったのは、「リアサカLIVE」は試合経過を把握するためのアプリではなく、中継と合わせて試合のより詳細な分析を行って楽しむためのアプリということだ。
例えば筆者はサッカーの素人ではあるが、ボール支配率やパス回数は日本がギリシャに比べて2倍以上あるにもかかわらず、シュート回数ではほぼタイなど、チャンスをものにできていないことが分かる。
交替した選手のデータもすぐに参照できるなど、データ分析が好きなユーザーに向いていると思う。それほど高速回線も必要とせず、8型タブレットとともに現地のスタジアムや出先でテレビを見ながらアプリでデータ分析……というスタイルは悪くない。
なお、予選リーグはまだ1試合残っており、25日午前5時(かなり早いが……)のコロンビア戦のデータを「リアサカLIVE」アプリで参照可能だ。興味がある方は公式ページにアクセスして入手してみてほしい。
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