7月10日(現地時間)、米Microsoftがテキサス州ヒューストンで開催する年次カンファレンス「Microsoft Worldwide Partner Conference(WPC) 2013 Houston」は3日目を迎えた。午前中のキーノートにはケビン・ターナーCOO(最高執行責任者)が登壇。今年度の具体的なビジネス戦略を語るとともに、パートナー企業との協力関係の重要性を改めて訴えた。
「昨年のWPCの場でパートナーの皆さんに誓ったことが4つある」——。ターナー氏は冒頭でこう切り出す。1つ目は「Office 365」をはじめとするクラウドサービスで勝つこと、2つ目は「Windows 8」を利用可能な形にしてアプリケーションをドライブさせること、3つ目は顧客満足度を向上させること、4つ目は巨大なイノベーションの波に乗ることだ。
Microsoftのクラウドサービスの現状を見ると、コンシューマー領域では、Webポータルサイト「MSN」が4億6000万以上のユーザー、エンタテインメント向けオンラインサービス「Xbox Live」は4800万人の会員、インターネット音声通話サービス「Skype」は全世界のモバイルトラフィックの3分の1を占めるほか、メールサービス「Outlook」は4億人以上のユーザーを抱え、オンラインストレージサービス「SkyDrive」は2億5000万人以上の利用者がいる。また、エンタープライズ領域に関しては、Office 365が前年比で5倍の売り上げ、「Microsoft Windows Azure」の収益が150%増となったという。「まさにクラウドで勢いづいているといえるだろう」とターナー氏は自信を見せる。
Windows 8については、全世界で15億人が毎日活用するWindowsを新たなプラットフォームに変革した。具体的には、PC、タブレット、スマートフォン、Xbox TVのいずれでもタッチ操作を最優先にしたユーザーエクスペリエンス(UX)を提供、ディストリビューションモデルの増加、ARM系CPUに対応、2タイプのSurfaceタブレットを販売、OEMエコシステムを再定義、顧客からのフィードバックをWindows 8.1に反映、といった取り組みを矢継ぎ早に行った。
特にWindows 8.1については、「単なるサービスパックではなく、まったく完全な製品といえる。新しいwindowsを1年以内にリリースしたということだ」とターナー氏は力を込める。
「2013年度はパートナーに支えられて革新的な製品、サービスを数多く打ち出すことができた。おかげで4つの大きな目標を達成できた」(ターナー氏)
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