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エプソンがコピー機市場に参入――“導入コスト0円”で月額1万円からの新プリントサービスとは?

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オフィスのコスト削減に、エプソンが新サービスを投入

tm_1405epson_01.jpg「エプソンのスマートチャージ」で貸与されるA3ノビ対応カラーインクジェット複合機(フルセット)

 エプソンは5月13日、ビジネスインクジェット複合機の貸与、インク、保守サービスが月額1万円(税別)からの定額従量料金で利用できる新サービス「エプソンのスマートチャージ」を発表した。2014年8月にサービスを開始する予定だ。

 月1000〜5000枚程度の印刷を行うオフィス向けコピー機の代替を狙うサービス。契約すると、コピー、プリント、スキャン、FAXの機能を備えたA3ノビ対応のカラーインクジェット複合機がエプソンから貸与され、月々の基本使用料金を支払うことで利用できる。

 複合機本体の購入が不要なため、導入コストがかからず、基本使用料金に一定の印刷枚数、インクなどの消耗品、オンサイト保守サービスまで含めたオールインワンのプランとなっているのが特徴だ(機器の導入や搬入を希望する場合は別料金、消耗品に用紙類は含まず)。

 カラー/モノクロの印刷比率や、機器の給紙容量によって4つのプランから選択できる。いずれも契約年数は5年(合計60万円から)で、中途解約の場合は解約金(基本使用料金×契約の残月数×0.9)が発生する。最も安価な「スタンダードB」プランは、月額基本使用料金が1万円(税別)で、モノクロ2000枚、カラー600枚までの印刷が可能だ。この印刷枚数を超過した場合は、1枚あたりモノクロ1.5円、カラー5円の追加料金がかかる。複合機はカセット2段、最大831枚の給紙に対応したモデルだ。

tm_1405epson_02.jpgカラー600枚、モノクロ2000枚の印刷サンプル。これが月額の基本使用料金に含まれる。この枚数を超過しても、追加料金は1枚あたりモノクロ1.5円、カラー5円と安価だ

 同サービスはインターネット経由で印刷枚数や消耗品の残量情報を取得する「Devise Status System(DSS)」により、エプソンが契約者の機器管理を行う。消耗品の交換時期になると、エプソンから連絡を受けた販売店またはエプソンが交換作業をオンサイトで実施する。定期交換部品は給紙ローラー(フロントカセット用、背面MPトレイ用)のみだ。

「エプソンのスマートチャージ」プラン一覧
プラン名スタンダードBフルカラーBスタンダードFフルカラーF
料金コーススタンダードフルカラースタンダードフルカラー
用途モノクロ印刷が多いカラー印刷がほどんどモノクロ印刷が多い+用紙種別が多いカラー印刷がほどんど+用紙種別が多い
機器構成ベーシック(基本モデル)、カセット2段:831枚給紙フルセット(大容量給紙モデル)、カセット4段:1831枚給紙
契約年数5年(中途解約の場合は解約金発生)
基本使用料金(月額)1万円(税別)1万2000円(税別)
基本印刷枚数(片面印刷)モノクロ2000枚、カラー600枚モノクロ/カラー合わせて1000枚モノクロ2400枚、カラー720枚モノクロ/カラー合わせて1200枚
超過従量料金(1枚あたり)モノクロ1.5円、カラー5円モノクロ/カラーいずれも5円モノクロ1.5円、カラー5円モノクロ/カラーいずれも5円

tm_1405epson_03.jpg同クラスのレーザー複合機をリースした場合と比較して、「TCOでコストは1/2以下」という

 それでは、これがどれくらい安いのか? エプソン販売 代表取締役社長の平野精一氏は、一般的な毎秒20枚クラスのレーザー複合機をリースした場合に比べて「TCOでコストは1/2以下」と、そのコストパフォーマンスに自信を見せる。

 コストの考え方については、エプソン販売 取締役 販売推進本部長の中野修義氏が明らかにした。エプソンのスマートチャージは5年契約で60万円(スタンダードBプラン)だが、一般的な毎秒20枚クラスのレーザー複合機を5年間リースした場合、本体のリース料が約60万円(1万円×60カ月)、モノクロ2000枚(コスト2円×2000枚=4000円)とカラー600枚(コスト15円×600円=9000円)の印刷にかかるカウンターチャージ料が約78万円(1万3000円×60カ月)の想定で、合計約138万円かかる計算になる。この数字と比べて、TCOでコストが半分以下になるというわけだ。

 中野氏は、「企業ではコストダウンを優先したい、プリンタや消耗品の管理工数を減らしたいという管理者と、カラーで分かりやすい資料を作りたい、コピー機の待ち時間を短縮したい、スマートデバイスからの印刷など最新機能が欲しいといった利用者の要望が対立しがちだが、エプソンのスマートチャージならば両方の要望に応えられる」と力説。平野氏も「皆さまの要望に応えた“導入コストが0円”のプリントサービス。これをもって、エプソンはコピー機市場に参入する。これは我々の新しい挑戦だ」と宣言した。

 エプソンは、2008年にビジネスインクジェット複合機/プリンタを投入して以降、低コストや省電力を武器に右肩上がりで台数を伸ばし、2013年度には稼働台数が70万台まで達した。しかし一方で、高プリントボリュームの複合機市場では依然としてレーザー方式を採用する競合他社のシェアが高い。ビジネス向けインクジェットのノウハウを蓄積し、プリントエンジンを世代交代して体制を整えた今、この新サービスを投入することで「高プリントボリュームのレーザー/LED複合機市場」を切り崩す構えだ。

 販路としては、専用契約を結んだ全国120社程度の販売店でスタートし、将来的には250社程度に増やす見込み。中野氏は「すべての県に販売店があり、連絡をいただければ半日以内に飛んでいきオンサイト保守ができる。販売店がカバーできないエリアはエプソンが請け負う」と説明する。2014年度の契約数目標は2万件だ。

tm_1405epson_04.jpgtm_1405epson_05.jpg「エプソンのスマートチャージ」が掲げる6つの特徴(写真=左)。印刷速度30ppm以下のコピー機市場は年間出荷台数が約30万台で、エプソンのスマートチャージはこの中で月1000〜5000枚のプリントボリュームを求めるオフィスが販売ターゲットとなる(写真=右)
tm_1405epson_06.jpgtm_1405epson_07.jpgtm_1405epson_08.jpg発表会で最初に登壇し、サービスの概要を説明したエプソン販売 代表取締役社長の平野精一氏(写真=左)。セイコーエプソン プリンター事業部長の久保田弘一氏は、複合機の詳細を解説(写真=中央)。手に持っているのが、新設計プリントヘッド「PrecisionCore」のプリントチップだ(これを4基搭載している)。販売戦略を説明するエプソン販売 取締役 販売推進本部長の中野修義氏(写真=右)

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