任天堂が5月7日に発表した2014年3月期連結決算は、営業損益が464億円の赤字だった(前期は364億円の赤字)。前回予想は350億円の赤字だったが、Wii Uハード/ソフト、ニンテンドー3DSハードが目標に届かなかったことなどが響いた。
Wii Uはハード販売が272万台と、期初見通し(900万台)の3分の1以下にとどまった。今期はプラットフォーム活性化に取り組み、360万台の販売を目指すとしている。
売上高は前期比10%減の5717億円。ゲーム機の不振に伴い、棚卸し資産の評価損を迫られた上、研究開発費が想定より増加し、営業赤字が拡大した。円安による為替差益で経常損益は60億円の黒字を確保したが、繰延税金資産取崩しなどの影響で、最終損益は232億円の赤字(前期は71億円の黒字)に転落した。
Wii Uは欧米での本体値下げの影響などでハードの採算が厳しい状態。ソフト販売は1886万本にとどまり、ソフトの利益でハードの不振を補えなかった。3DSも期初の目標を下回り、ハードが1224万台/ソフトが6789万本にとどまった。海外で発売した、3DS機能を省いた「ニンテンドー2DS」は220万台だった(3DS販売数に含まれる)。
今期の販売目標は、Wii Uがハード360万台/ソフト2000万本、3DSがハード1200万台/ソフト6700万本。
Wii Uは、GamePadの特長を活かしたソフトの提案や、NFCリーダーライター機能の活用、ニンテンドーDSのバーチャルコンソールをソフトのラインアップに順次加えるなどしてプラットフォームを拡充するほか、「マリオカート 8」など人気シリーズタイトルを投入する。3DSは「大乱闘スマッシュブラザーズ for ニンテンドー3DS」など人気シリーズを投入し、しっかりとした利益を生み出すよう努めるとしている。
今期の業績予想は、売上高が5900億円、営業利益400億円、経常利益350億円、純利益200億円としている。
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