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突然始まった国内向けiTunes Match レコード会社は「時代の流れ」

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 米Appleが5月2日に日本向けにスタートした音楽クラウドサービス「iTunes Match」。米国でのリリースから2年半遅れての国内サービス開始となった。日本では著作権上の問題などからサービス提供は難しいのではないかという見方もあったが、参加するレコード会社は「iTunes Storeへの配信の延長」「ユーザー動向を踏まえた時代の流れ」と、淡々と説明する。

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 iTunes Matchはクラウドサービス「iCloud」のオプションとして提供。CDから取り込んだものも含め、iTunesに保存している全楽曲ファイルがiCloudにアップロードされ、PCやiPhoneなど同じApple IDで使っている全端末からiTunesで音楽にアクセスできる仕組みだ。料金は年額3980円(税込)。

 米国では2011年11月にスタートしたが、国内向けは音沙汰がなかった。個人所有の音源をAppleのクラウドサーバにアップすることの著作権法的な解釈に加え、違法ダウンロード音源であってもiTunes Storeに同じ楽曲があれば高音質な正規音源に置き換えられて利用できる可能性がある問題などが指摘されていた

 iTunes Storeに楽曲を配信し、iTunes Matchにも参加している大手レコード会社などに取材したところ「Apple側からサービスの説明を事前に受けており、iTunes Storeへの配信の延長として捉えている」と答えた。「米国でスタートした2011年とは国内の音楽市場の状況も大きく変わっており、ユーザー動向を踏まえた時代の流れ」(あるレコード会社)という。

 ユーザーの所有楽曲ファイルがサーバ上にアップされる点については「個人利用の範囲というApple側の見解に準じる」ということで合意しているようだ。違法ダウンロードファイルが正規ファイルに置換される可能性について、あるレコード会社は「違法視聴自体はこれまでも懸念であり、同サービスの開始で特段大きな問題に変わったわけではない」という。別のレコード会社からは「そもそも海賊版や違法ダウンロードを使って音楽を聞いている人が有料サービスを使うのかは未知数」という意見もあった。

 レコード会社が加盟する日本レコード協会は「まずはレコード会社ごとの判断ありき」という立場。「サービス開始後、具体的な問題が生じた際は各社と連携して協議する」としている。

 楽曲著作権を管理する日本音楽著作権協会(JASRAC)は、「Appleとはこれまでも同サービスを含め楽曲データの扱いについて協議を進めてきているが、開始にあたってApple側から特段連絡は受けていない」という。楽曲利用・配信について、レコード会社が持つ著作隣接権(原盤権)についてはあくまでレコード会社との合意によるもので、著作権に関してはこれから具体的に取り扱いを決めていくという。基本的には運用に関し前向きな姿勢で「アーティストの権利を守りつつ、ユーザーの利便性やニーズを汲んで整えていきたい」としている。

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