NTTドコモが4月25日に発表した2014年3月期通期の連結決算(米国会計基準)は、営業利益が前期比2.1%減の8192億円と、前期から2年連続で減益となった。「スマートフォンの販売数が思ったように伸びなかった」と、加藤薫社長は不振の理由を説明する。
売上高に当たる営業収益は0.2%減と横ばいの4兆4612億円、純利益は5.4%減の4647億円。iPhone投入効果で下期の純増数は前年同期比80%伸びたが、Androidが想定を下回り、1620万を目指していたスマートフォンの販売台数は1378万台と、前期比3.7%増にとどまった。
スマートフォンのへの移行が想定より進まなかった背景の1つに月額料金の高さがあるとし、新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」を投入。スマートフォンの購入ハードルを下げ、フィーチャーフォンとの2台持ちもしやすい環境を整える。
新料金プラン発表時は「iPhone発表時に次ぐ」大きな反響があり、ポジティブな声もiPhoneと同じぐらいあったという。発表を受け、ソフトバンクモバイルが料金プランの見直しを行うなど他社も追随を検討している。「他社がどのようなアイデアで、どう強弱を付けて出すかは注視している。柔軟、迅速に対応できる状況で見守りたい」と加藤社長は話す。
「LTE-Advanced」今期中に導入へ
再び成長軌道に乗せるため、サービスの拡充やLTEエリアの拡大を進める。サービス面では、「dマーケット」のストアを拡大。前期は550億円だった取扱高を、今期は900億円に伸ばす。
LTE整備に4650億円を投じ、基地局数は1.7倍の9万5300局に増やす。うち、100Mbps以上対応局は4万局と、現在の10倍以上に拡大。夏からはVoLTEもスタートさせるほか、LTEの次世代規格「LTE-Advanced」の導入も進め、下り最大225Mbpsの商用サービスを今期中に開始する。
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