省電力化を、より長時間の動作に振るか、スペシャルな軽さに振るか
うーん。改めてほれぼれする軽さである。
13.3型で約875グラムと、そもそも十分に軽かった第1世代の「LaVie Z」(2012年8月発売)。それが第2世代「LaVie Z」へ進化するにあたり、方向性が2つあったと筆者は推測する。
省電力性能が向上したHaswell(第4世代Coreプロセッサー)システムの採用を軸に、1つは長時間化とタッチパネル化。もう1つはHaswell化にともなうマージンを“より軽量”へ振る方向だ。ご存じの通り、第2世代LaVie Zは、大きく分けてタッチ対応モデル(解像度は1920×1080ドット)と高解像度のIGZOモデル(解像度は2560×1440ドット)で展開する(正確には、カラーバリエーションと仕様の違いで全4モデル)。筆者が導入したIGZOモデルは後者にあたる。バッテリー動作時間のカタログ値は約9.4時間と前世代より少し長くなった程度だが、軽量化手段の1つとしてバッテリー容量を減らし(第1世代の6セル/3000mAhバッテリーで約8.1時間動作、第2世代は4セル/2000mAhで約9.2時間動作)、さらなる軽量化(約795グラム)を実現した。
ちなみに前者にあたるタッチモデル(LZ650/MS)は前世代より少し重い約965グラムとしつつ、(タッチパネルと)同じ6セルながら容量を4000mAhに強化した大容量バッテリーを内蔵し、より長時間となる約14.5時間動作を実現している。
使いはじめてまだ数カ月であるが、「なにより徹底して軽い」を推進したIGZOモデルの方向はまったく間違っていないと筆者は確信している。軽さと薄さは自身の機動力を高め、結果として業務の効率はかなり向上した。
しかしその一方で、「とはいえもう少し……バッテリーが持ってくれれば」というシーンもあるにはある。「BBench」(海人氏・作 電源プラン「バランス」+輝度40%固定+無線LAN接続+Bluetoothオン。「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 11を指定し、タブブラウズはオフ。満充電の状態からバッテリー残量が残量5%で自動的に休止状態へ移行するまでの時間を計測)を用いて実動作時間を計って見たところ、約5時間にて休止状態へ移行した。
カタログ値と実利用時間にかなり差があるが、バッテリーで動作させる外出時の連続実運用時間もだいたいこのくらいだ。電源プランを「ECOモード」に切り替えて、ディスプレイのバックライトをもっとも暗くすればもう少し伸びると思うが、写真を大量に加工する時などの動作でちょっともたつくので、普段の電源プランはバランスのまま運用している。
USBバッテリーによる手軽な外部充電手段があるスマートフォンやタブレットと違い、本機におけるPCのバッテリー切れは今のところACアダプタと電源が得られる場所を確保するしか対策がない(保証対象外にて、PC用として20Vなどを出力できるモバイルバッテリーを使う手段も存在するが、本機のDCプラグは最近のThinkPadシリーズと同じ角形の特殊形状のため、対応するプラグチップを入手するのが難しい)。
1時間の充電で約88%まで急速受電が可能
とはいえ、本機はACアダプタを携帯しても合計1キロほどと、普通のモバイルノートPC 1台分程度である。また、1時間で約80%まで充電できる「急速充電」機能も備えている。
では、実際にどのくらい高速か。カタログ値では1時間で約80%まで充電可能となっている。バッテリー切れで休止状態へ移行した残量5%から実際に充電してみると、ジャスト1時間で88%まで充電できた。
LaVie Z(IGZOモデル)は、確かにバッテリー動作時間は少し短い。ただ、スペシャルな軽さと超高解像度ディスプレイを実現するためと考えればこの弱点は補える。要は1日/約8時間の業務時間において、モバイルでの利用時間が合計でどれだけあるかを考察すればある程度の答えが出るだろう。
小型軽量なACアダプタと高速充電機能は、普段とは違う使い方をする時をカバーするためのもの。長時間の外部作業をする日はACアダプタも携帯し、電源を借りられる喫茶店やファストフード店などでさくっとカバーする手段もアリだ。
- 第23回 2560×1440解像度スゴイ……格段に作業効率が上がる「超高解像度ディスプレイ」
- 第22回 「パネルオープンパワーオン」機能で即作業、改めてLaVie Zの便利さを知る
- 第21回 「チョウのように舞える」機動力──出張に最適、やはり軽さは正義だ
- 第20回 複数のMicrosoftアカウントを応用──仕事/プライベート環境を切り分けてみる
- 第19回 LaVie Zは“初期作業”も軽快──OneDrive連携「手間なし環境引っ越し」を試す
- 第18回 思わず笑いがこみ上げる「超軽」ボディ、第2世代「LaVie Z」の魅力を再確認
- 第17回 「UEFI設定」を追い込めば、起動時間はもっと速くなる?
- 第16回 UEFIって何? LaVie Zで改めておさらい
- 第15回 Windows 8は起動が速い……のはなぜか その理由を探る
- 第14回 Windows 8は起動が速い……のは本当か? 実際に計測して確かめてみた
- 第13回 Windows 8は低消費電力? 実際に計測して確かめてみた
- 第12回 Windows 8で「バッテリーが長持ちするようになる」のは本当か
- 第11回 なぜWindows 8は「速い」のか 新旧LaVie Zのパフォーマンスをガチ比較(基本性能編)
- 第10回 タッチパネルなしで大丈夫か?
- 第9回 “なんだかメンドー”を解消する「Windows 8便利ショートカット」7選
- 第8回 Windows 8刷新で驚いた超速レスポンス──「まるでジェットスクランダーを装着した」ようだZ!
- 第7回 LaVie GタイプZを“ノングレア”化、さらに海外で見せびらかしてきたZ!
- 第6回 LaVie GタイプZの通信手段とポート数を考察するZ!
- 第5回 LaVie GタイプZを新幹線&遠征に持っていったZ!
- 第4回 クラウドでかしこくデータ同期──Ultrabookを「すぐ実践投入OK」にする方法
- 第3回 「メモリ4Gバイト固定」の件、そして“あれ”ができるかを試す
- 東京・大阪で「LaVie Z」販売開始イベント──ロンドン五輪メダリストも脱帽「か、軽っ」
- 第2回 Core i7モデルとCore i5モデル、買うならどっち?
- 第1回 LaVie Zの発熱はどう? サーモグラフィでチェック
関連記事
- NEC Special media
なんと「875グラム」!! 注目の“超軽量”Ultrabook「LaVie Z」が人気! NECダイレクトなら、Officeなしモデルなどのカスタマイズにも対応。 - NEC Directが「Windows XP買い替え応援セール」を実施 4月10日まで
Windows XPサポート終了まであと2週間。NECは直販PCサイトにて「Windows XP買い替え応援セール」を開始した。 - 「LaVie Z」購入で、「世界の軽量モノ」が当たるキャンペーン──3月31日まで
魅惑の超軽量ノート「LaVie Z」の購入で、「世界の軽量グッズ」が当たるプレゼントキャンペーンがはじまった。購入対象期間は2013年3月31日まで。 - レビュー:700グラム台の超軽量ボディ、さらに「2560×1440 IGZO」だっ──新「LaVie Z」即レビュー
LaVie Zが待望のフルモデルチェンジを果たし、2種類の新モデルが登場した。重量795グラムで2560×1440ドットのIGZOディスプレイを搭載する「超軽量モデル」と、フルHD液晶搭載で約14.5時間駆動の「タッチモデル」をまとめてチェックする。 - “Z”が待望のモデルチェンジ、795グラムの超軽量+2560×1440の超高解像度仕様に──「LaVie Z」
NECの超軽量ノートPC/Ultrabook「LaVie Z」が待望のモデルチェンジ。「795グラム」「2560×1440」「Haswell化」「ブラックカラー追加」「タッチモデルも用意」と注目ポイントをたくさん携えて進化した。 - もはや「異次元の域」──新LaVie Zはなぜこんなに軽いのか
NECが投入する超軽量PC「LaVie Z」は「究極の軽さ」が大テーマ。当時極限まで突き詰めたはずの2012年発売の第1世代から、さらに約80グラムも軽量化したのに驚かされる。どんな技術で、どんな方法でそれを達成したのかNECのLaVie Z開発チームが説明した。 - 2014年PC春モデル:新デザインの省スペースな21.5型テレビPC、タッチ+11acの23型も——「VALUESTAR S/N」
NECのデスクトップPC「VALUESTAR」は、デザインとシリーズ名を変更した21.5型の「VALUESTAR S」が目玉。23型の「VALUESTAR N」も一部仕様を強化した。セパレートタイプの「VALUESTAR L」は2013年秋冬モデルを継続販売する。 - 2014年PC春モデル:基本機能を強化した15.6型主力ノート──「LaVie L/S/E」
15.6型ワイド液晶ディスプレイを搭載する主力ノートPC群は、「LaVie L」「LaVie S」「LaVie E」の3シリーズで展開。11ac対応無線LANなど、基本機能を強化した。 - NEC、薄型軽量10.1型Windows 8タブレット「LaVie Tab W」──光学ポインタ搭載キーボード付き
NECが厚さ9.8ミリ、重量約590グラムの軽量Windowsタブレットを投入。Windows+Office+専用キーボード付きで展開し、広がりつつある複数台需要やライト層へ訴求する。 - 2013年PC秋冬モデル:超高解像度+世界最軽量700グラム台の「新LaVie Z」登場、5チューナーテレパソも──NEC「LaVie/VALUESTAR」新モデル
NECが2013年PC秋冬モデルを発表。魅力の超軽量+超高解像度なスペシャルモデルを主役に、5チューナー仕様の液晶一体型デスクトップ、タッチ対応のA4ノートなど6シリーズ全37モデルを用意した。OSは全シリーズで新バージョンのWindows 8.1を搭載する。 - Windows 8.1特集
ついに「Windows 8.1」が発売される! 使いやすくなった機能、生まれ変わったUI、Windows ストア、そしてタッチ対応のPC新モデルまで、Windows 8.1の注目記事と最新情報をお届け!! - 薄い、軽い、美しい!:Ultrabook特集
Ultrabookってそもそも何? どんなモデルがある? 何ができる? 注目の新PCカテゴリ「Ultrabook」の最新ニュース/製品レビューを随時更新! - 注目タブレットデバイス情報はここから:タブレット USER
iPad2、GALAXY Tab、XOOM、Optimus Pad、Eee Pad、ICONIA TAB……iOS/Android/Windowsなど、OS/サイズ別に話題のタブレットデバイス情報を集約!!
関連リンク
Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.