ジャマイカの次はカザフスタン……国内提供はいつ?
3月27日(現地時間)、米Microsoftは同社のビジネスアプリケーションスイートであるMicrosoft OfficeのiPad版、「Office for iPad」を発表した。同日、サンフランシスコ市内で、新CEOのサティア・ナデラ氏(Satya Nadella)が、同社就任後、初のプレス向けイベントを行い、今回のOffice for iPadがイベントの目玉となった。
Office for iPadを構成する4つのアプリケーション、「Word for iPad」「Excel for iPad」「PowerPoint for iPad」、そして「OneNote for iPad」は、すでに米国をはじめとする世界135カ国で提供が始まっている。
だが、公式ブログの記事に書かれた対応国一覧にはアルバニア(Albania)からジンバブエ(Zimbabwe)までさまざまな国の名前が挙がっているものの、ジャマイカ(Jamaica)の次はカザフスタン(Kazakhstan)になっており、日本(Japan)は飛ばされている。ただし、これは日本を避けているわけではなく、同社のクラウドサービスにおけるこれまでの日本での展開など、環境的要因による一時的な措置に過ぎない。
事実、同じ公式ブログの対応言語の一覧にはしっかりと「日本語」が明記されているし、実際にこの原稿もWord for iPad上で書いたものだ。変換時に候補ウィンドウが消えないことがあるなど多少の問題はあるが、使い勝手上の問題はそれくらいで、さらにはMS明朝やMSゴシック、メイリオなどのMicrosoft謹製フォントも、きちんとアプリ内に用意されているようだ。
Microsoft広報によれば、「日本でも年内にOffice 365 for Consumerサブスクリプションが始まる」そうで、日本版Office for iPadも、その時期にあわせてリリースされると見ていいだろう。
クラウドサービス、Office 365戦略の一環
Office for iPadを構成する4つのアプリは、書類表示の互換性はもちろん、書類作成や編集機能も、それなりに充実している。スクリプト機能や差し込み印刷機能など高度な機能は搭載していないが、用意された整ったひな形から日常の仕事で使う書類を手早く作成するといった使い方には十分な機能をそろえている。それにも関わらずアプリとしては無料で提供されている。
そう聞くと、これまでMac版やWindows版のOfficeに数万円を払ってきたユーザーの中には不満を感じる人もいるかもしれない。実はOffice for iPadは、アプリそのものは無料で、人から送られてきたOffice書類を閲覧、表示することも無料だ。ただし、新規に書類を作成したり、編集する場合には、Microsoftが提供するクラウドサービス、Office 365のサブスクリプション契約(月額または年額での契約)が必要になる。これはiPadのほかにPCなども含め合計5台までの機器で利用できるライセンスで、こちらが現在、米国では月額9.99ドルになっている。
ちなみにOffice for iPadの無料提供にあわせて、iPhone、Android、Windows Phone版のOffice Mobileも無料になり、個人利用に関しては無料で利用できるようになった。ただし、業務で利用する場合にはOffice 365のライセンスが必要になる。
Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.