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「UPS」を正しく選ぶコツ――容量の計算方法は? 給電方式とは?

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←・SOHO/中小企業に効く「UPS」の選び方(第1回):意外と知らない「UPS」の基礎知識——もしもの停電から大事なデータを守るため

UPSはどのように選ぶべきか

tm_1403_ups2_01.jpg第2回は、UPSを選ぶうえで知っておきたい容量の計算方法などを紹介する。写真はAPCのSOHOに適したコンパクトなUPS「APC GS Pro」

 「無停電電源装置(UPS)」は、主に内蔵するバッテリーの容量によってラインアップが分かれている。これは要するに、接続する機器の消費電力が高いか低いかによって、異なる製品を取りそろえているわけだ。

 実際には給電方式や出力波形の違いなど別の要素もあるわけだが、それらの違いはひとまず後回しにして、まずは必要な容量の測定方法についてざっと見ていこう。

 UPSの選定にあたっては、まず最初に接続したい機器ごとの消費電力を書き出す。メーカーのWebサイトや製品の取扱説明書に消費電力(W、ワット)の表記があるはずなので、それをメモしていく。

UPSに接続する機器の消費電力例
機器名消費電力(W)
デスクトップPC150W
液晶ディスプレイ50W
外付けHDD20W
無線LANルータ10W
FAX機能付きA4インクジェット複合機20W
合計250W

 例えば、左のような一覧表を作ってMicrosoft Excelなどで保管しておけば、将来的に機器の入れ替えがあった際にも再計算がしやすく、また法人で機器管理の担当を誰かに引き継ぐのも容易だ。

 ちなみに、かつては消費電力(W)だけでなく皮相電力(VA、ボルトアンペア)という値も用いて計算するのが一般的だったが、メーカーのWebサイトや製品の取扱説明書では消費電力(W)のほうが確実に記されているので、そちらをベースに計算したほうが手軽だ。皮相電力(VA)が必要な場合は、消費電力(W)を0.6で割った値を用いるとよい。

 消費電力は、PCなどでは「最大構成時60W、通常時20W」といった具合に2種類の値が表記されている場合がある。この場合は最大値で計算するのが正しい。またデスクトップPCのグラフィックスカードなど、後から増設した機器もかなりの電力を消費する場合があるので、忘れずに追加しておく。

 これに加えて、バッテリーの劣化が進むとパフォーマンスが半分程度に落ちるので、それも考慮して「最大値×2」で計算するのが理想なのだが、そうするとコストが高くつきすぎる。せいぜい2割増し程度で計算しておき、後は寿命が来たら早期に交換するという考え方でよいだろう。

 つまり、機器の消費電力の合計が300Wであれば、1.2倍で360W程度を見ておくわけだ。よくUPSの選び方で「計算した容量の1.2〜1.3倍程度を見ておくべし」と書かれているのは、これが理由である。

メーカー提供の計算ツールでピッタリのUPSを見つける

 さて、消費電力の合計が算出できたら、接続した機器を駆動させる時間を決める。例えば「安全にシャットダウンするだけなので3分あればいい」という場合もあれば、「設備の点検による停電時も業務を止められないので1時間は必要」という場合もあるだろう。前者と後者では製品の価格帯がまったく変わってくるわけだが、ひとまず目安となる時間を決める。

 この2つのデータがそろえば、UPSのバッテリー容量と照らし合わせて適した機種を探せるようになる。

 もっとも、この2つのデータがそろったところで、メーカーのWebサイトやカタログから条件に合致した製品を自力で見つけるのは大変だ。計算が合っているかどうか不安という人も多いだろう。

 こうした場合に役立つのが、UPSメーカーがWebサイト上に用意している計算ツールだ。これを使えば、消費電力の合計やバックアップ時間を入力していくことで、条件に合致したUPSを手軽に見つけられる。

 例えばAPCブランドでUPSを販売しているシュナイダーエレクトリックは、オンラインショップの「Shop APC」で「UPS選定サポート」なる計算ツールを提供している。またオムロンも同様に、自社サイト上で「UPS選定ツール」というページを用意しており、手軽に利用できる。電圧に関しては100V(ボルト)で計算するとよい。

tm_1403_ups2_a.jpgtm_1403_ups2_b.jpgシュナイダーエレクトリックによるAPCブランドのUPS直販サイト「Shop APC」に用意された「UPS選定サポート」(画像=左)。オムロンのUPS製品情報ページに用意された「UPS選定ツール」(画像=右) ※それぞれの画像をクリックすると、該当するWebサイトへ移動
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