“えいやっ”と意気込めば買えないことはないけれど、そう簡単に買うわけにもいかない、そんな10万円前後のレンズをプロカメラマンがピックアップする本企画。第3弾はポートレートなどに有効な富士フイルムの単焦点中望遠に画質と携帯性を両立したリコーイメージングのパンケーキレンズ、α7/7Rと組み合わせるツァイスブランドの標準ズーム、それに600ミリを手中にできるタムロンの望遠ズームをご紹介します。
シャープとボケが演出するF1.2の魅力あふれる世界 富士フイルム「XF56mmF1.2 R」
「Xシリーズ」の交換レンズ「フジノンレンズ XF56mmF1.2 R」は、焦点距離85ミリ相当になる中望遠レンズ。もっとも特徴的なのは“F1.2”という明るさだ。
通常、夜景撮影となると三脚のイメージを持っている方も多いと思うが、F値の明るいレンズで開放気味にしてシャッタースピードを稼ぐことにより、ISO感度をそれほど上げずに手持ちでの撮影が可能になるので、フットワーク軽く、さまざまな角度から写真を撮ることができる。
また、いつもと違う1枚を撮影したい場合にも有用な1本。背景に情景を写し込むことで写真にストーリーが生まれたり、より被写体を目立たせる為にF値を浅くして前ボケや背景ボケで色をアクセントにすることも可能だ。ピントが合った部分はカミソリ並みの切れ味を持ったシャープネスで描き出してくれるので、ボケとの組み合わせの妙味に感動をおぼえるだろう。ただし、F1.2の開放で使用するとピントがかなり浅くシビアになるので、その点は注意して撮影にのぞみたい。
良画質で手軽に持ち運べるパンケーキレンズ リコーイメージング「smc PENTAX-FA43mmF1.9 Limited」
リコーイメージングから発売されている「smc PENTAX-FA43mmF1.9 Limited」は、43ミリの単焦点レンズ。APS-C機に取り付けると66ミリ相当という標準域の画角が、目で見ている感じと同じサイズで切り取ることができ、直感的に「これ撮りたい!」と感じた被写体を見たままにカメラに収められるのがこのレンズのいいところだ。
携帯性も良好。ボディキャップがわりにつけておいても場所を取らないので、いつもカメラを持ち歩きたいというユーザーにはかなりオススメだ。撮りたいと思ったときにレンズ交換なしにパッと撮って、またサッとしまえるので使い勝手が非常によろしい。
使いやすい画角に明るい高画質なレンズ、単焦点レンズが初めての人でも優しい使い勝手が魅力的。ボケのある写真もシャープな写真も自在に撮れるので、日常的な距離感と非日常的な世界観を生み出し、写真をさらに面白くしてくれる1本といえる。
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