IBMは、世界各国で人員削減を開始したと報じられているが、2014年2月12日の報道によると、インドが最初のターゲットとなったようだ。大手技術メーカーとしては過去最大規模の人員削減になるとみられる。
技術関連のWebサイトWRAL TechWireは、インドのバンガロールに勤務するIBM社員のコメントを掲載している。それによると、「理不尽な解雇を言い渡された従業員は、かなり取り乱していたようだ。ノートPCがケースごと没収されたため、私物を両手一杯に抱えて泣きながら職場を出ていく者もいた」という。バンガロールだけで、約1000人の従業員が解雇されたとみられている。
IBMは2014年1月に、2013年第4四半期の決算を発表したが、ハードウェア関連の売上高が26%減少するなど、業績が悪化していることが明らかになった。今回の人員削減は、このような業績低迷を背景としているようだ。IBMは、世界各国に43万人の従業員を抱えているが、そのうち約1万3000人が今回の人員削減の対象となる見込みだ。同社が「リソース戦略(RA:Resource Action)」と呼ぶ、労働力の均衡を再調整する方法の一環として実施するとみられる。これにより、約10億米ドルのコストを削減できるとしている。
IBM STG、バンガロールで大量解雇
IBMの従業員がThe Economic Times(ET)紙に明かした情報によると、IBMは既に、バンガロールのIBM Systems Technology Group(STG)において、約40人の従業員に解雇を通告したという。IBMのWebサイトによれば、STGは通常、同社のハードウェア部門と位置付けられている。
また、バンガロールの従業員が匿名を条件に提供した情報によると、「解雇対象となった従業員は、ノートPCを没収され、職場を締め出された。STGが経営難に陥ったためだと聞かされたようだが、IBMインドの従業員たちは大きな不満を抱いている。中間管理職の中には、ここ数週間で辞表を提出した者もいるようだ」という。
IBMの従業員組織であるAlliance@IBMで全国コーディネーターを務めるLee Conrad氏は、「STGバンガロールはその日、大量解雇の場と化した。リソース戦略の対象となった従業員は、ミーティングに呼び出され、直ちに退職することを迫られた。支払われた解雇手当は、平均で基本給の3カ月分だった」と述べている。
米国メディアの報道によると、IBMは各事業部門のマネジャーに対し、今回のリストラ実施に先立ってリソース戦略の実行に向けた準備を指示していたようだ。
13万人の従業員を抱えるインドIBM
Conrad氏によれば、「2014年第1四半期の間に、世界各国で最大1万5000人ほどが解雇されると聞いている。米国での削減は2月26日に発表されると予想される」という。
13万人を超える従業員を抱えているインドのIBMは、米国以外では最大規模だ。インドで解雇される人数は明確にはなっていないものの、約2000人に上るとみられている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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