アウディのコンパクトモデル「Audi A3」。まず、5ドアボディの「A3スポーツバック」が2013年秋に導入され、2014年に入って4ドアボディの「A3セダン」が登場した。
それぞれ1.4リッターと1.8リッターの直噴ターボモデルを展開し、1.4リッターモデルには気筒休止システム「シリンダーオンデマンド(COD)」も備える。また、スポーツモデルの「S3」には、2.0リッター直噴ターボエンジンを搭載する。
もっとも気になったのは、新しくなったMMIナビゲーションシステムにいくつかの興味深い拡張機能が搭載されている点だ。3G回線でインターネットと接続し、リアルタイムでさまざまな情報を取得する「アウディ コネクト」は、同時に8台までのPCやスマートフォン、タブレット、ゲーム機などが接続可能な無線LAN(Wi-Fi)機能も備えている。
ネットと連動するナビシステムはガジェット好きにたまらない
通常の試乗リポートであれば、さっそく乗り味を確かめるために走り出すところなのだが、今回はあえてアウディ コネクトを先に紹介しよう。このシステムでは、ネットから取得したオンラインニュースや天気予報、飛行機のフライト情報などを、運転中でもナビゲーション画面上でリアルタイムに参照できる。
さらに興味深いのが、Google EarthやGoogleストリートビューを、そのままナビ画面としても使える点だ。実際にGoogle Earth表示のナビを使って走ってみたのだが、現在位置に合わせてきちんと画像が更新され、しっかりナビとして使える。これは文句なしに面白い! ただし、純粋なナビとしての使い勝手は、やはりナビ専用のインタフェースのほうが使いやすいかも……。
また、タッチパネルを指でなぞるように文字をかけば自動的に認識してくれる「MMI Touch」も興味深い。このシステム自体は、かなりいい加減に書いてもちゃんと認識してくれる……のだが、右利きの筆者にとって運転席の左側に設けられたタッチパネルを操作するとなると左手を使わざる得ない。
左指の動きで文字を描くというのは、やってみるとかなり難しい。ちなみに、筆者が左指で「ま」を入力しようとしたところ、うまく描けずに認識してもらえなかった……。停車した状態で右手を使うか、もしくは左指で文字を描く練習をするしかなさそうだ(MMIナビゲーションシステムには音声入力機能も搭載されているため、運転中にはこちらを使うのが現実的だろう)。
もちろん、インターネット連携の恩恵はドライバーだけでなく、助手席やリアシートでも受けられる。アウディ コネクトには、最大8台までのデバイスをWi-Fi接続できるWi-Fiルータの機能が内蔵されている。いってみれば、車内が「Wi-Fiホットスポット」になるというわけだ。
筆者のiPhoneを接続してみたところ、Web閲覧もメールも快適そのもの。家族でのロングドライブなどには、これはかなり使える機能だろう。ただし、初期設定には手こずる可能性があるので(IT機器の取り扱いに慣れている筆者でも約10分ほど悪戦苦闘したあげく、アウディのスタッフの手を借りて何とか接続できた)、旅立つ直前でなく余裕があるときに設定だけは済ませておくことをオススメしたい。
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