ココが「○」 |
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・Haswell世代のCPUを搭載 |
・PCIe接続のSSDを採用 |
・2880×1800ドットの超高解像度ディスプレイ |
ココが「×」 |
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・2012年モデルに比べて価格が高い |
・下位モデルはCPU内蔵グラフィックス |
・15.4型クラスで光学ドライブは非搭載 |
はじめに:美しい超高解像度ディスプレイを備えたHaswell世代の15.4型ノートPC
アップルの「15インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデル」は、Retinaの名が示す通り、液晶の画素密度が220ppiという、2880×1800ドット表示の超高解像度液晶ディスプレイを搭載する15.4型ノートPCだ。
15型クラスでありながら厚さを18ミリまで絞った、薄く、美しいアルミユニボディは、2012年モデルから引き継ぎつつ、Haswell世代のアーキテクチャに移行し、内部システムを刷新している。
今回取り挙げる15インチMacBook Pro Retinaの下位モデル「ME293J/A」は、CPUにCore i7-4750HQ(2GHz/最大3.2GHz)を採用し、グラフィックス機能はディスクリートGPUではなく、CPU内蔵のIris Pro Graphics 5200を利用する仕様だ。「Pro」の名前を冠した15インチモデルでありながら、13インチモデルと同じ内蔵グラフィックスとなっているが、上位グレードの「GT3e」(Crystalwell)であるIris Proの実力がどの程度か気になるところだろう。
また、今回特に目を引くのは、PCI Express接続SSDの採用だ。同社によると、旧MacBook Proと比較して、データの読み書き速度は最大60%向上しているという。このほか、1300Mbps転送を実現するIEEE802.11ac対応無線LANモジュールの内蔵や20Gb/秒の帯域幅を持つThunderbolt 2ポートの搭載もトピックだ。それでは、実際のパフォーマンスや定評のある液晶ディスプレイの品質をチェックしていこう。
ボディと製品概要:厚さ18ミリ、アルミ削りだしの薄型ユニボディ
液晶ディスプレイ:sRGB相当の色域をほぼカバーする高品質パネル
ここではMacBook Pro Retinaディスプレイモデルのガンマカーブと色再現性を検証する。評価にはエックスライトの「i1Pro」を用いた。
下のグラフを見れば分かるように、ガンマカーブはRGBの3本がほぼリニアに、暗部から明部まで美しい線を描いている。あくまで評価機での結果にはなるが、キャリブレーションをせずとも、階調性は整っているといえる。ちなみに色温度は6800KでsRGB標準の6500Kよりもやや高い。実際はやや青味が強いが、目には白がすっきりとして見え、こちらを好む向きも多いと思われる。
色再現性の検証では、先に作成したICCプロファイルを、Mac OS XのColorSyncユーティリティでそれぞれsRGB、Adobe RGBのプロファイルと比較した図になる(薄いグレーの部分がそれぞれsRGBとAdobe RGBの色域)。
この結果を見ると、MacBook Pro Retinaディスプレイモデルの液晶ディスプレイは、sRGB相当の色域を持つことが分かる。Webデザイナーなど、扱う色域が基本的にsRGBであればプロ用途としても十分だろう。
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