スマートニュースは2月3日、同社の開発するニュース閲覧アプリ「SmartNews」がリリースから約14カ月で300万ダウンロードを達成したと発表した。読売新聞東京本社からニュース提供を受け「ソチ五輪」特設チャンネルを設置するなど、メディアとの提携を積極的に進めていく。
Twitterのパブリックタイムラインから話題のニュースを収集し、カテゴリごとに表示する閲覧アプリで、2012年12月に公開。スマートフォンからの閲覧に特化した使いやすさが売りで、検索や広告だけでなくブログや口コミでユーザーを拡大。ダウンロードしたデバイスはiOSがAndroidの約2倍という。1月の月間アクティブユーザー率(MAU)は75%、毎日利用しているユーザー(DAU)は約4割と、利用も活発だ。
課題に掲げるのはメディアとの連携強化。新たに読売新聞東京本社から記事提供を受け、ソチ五輪関連情報を配信する特設チャンネルを五輪期間中の28日まで約1カ月間設ける。
現時点の提携・協業メディアは、報道機関やテクノロジーメディア、ビジネス誌、女性誌など55社102媒体。。関連記事など配信元サイトの他ページに遷移する率は約20%といい、66媒体には月間100万PV以上誘導しているという。メディアごとの記事一覧ページ「チャンネルプラス」の開設数は「msn産経」「東洋経済オンライン」 「ギズモード」など21社32チャンネルとなり、総登録者(重複含む)は400万人を超えているという。
昨年10月に事業の現況を公開後、メディア運営企業からの問い合わせの件数が増えたため、12月には「媒体運営者の皆様へ」としてメディア向けのドキュメンテーションを公開した。藤村厚夫執行役員は「スマートフォンユーザーの流入元として一番多いのはSmartNews、という声もかなり聞かれるようになってきた。初期に比べ、記事提供やデータクロールを断られるケースは減っており、どう提携できるかを模索する姿勢の媒体社が増えている。まだまだこれからが勝負、1社でも多くよい関係を築きたい」と話す。
現在は記事提供に対して対価を支払う形ではなく「金銭面以外でメリットを感じてもらっている」(藤村執行役員)状態。メディアサイトへの送客や、アプリ内で記事ページを開いた際の広告の表示に加え、読み込みが速くオフライン向きの独自閲覧モード「Smartモード」にも媒体社の売り上げとなる広告を表示できるようにする方針だ。
鈴木健取締役は、アプリ自体の収益化については「まだ急いでいない」という。「ニュースの書き手と読み手、両方にメリットを感じてもらい、よりよいマッチングの機会を作りたい。注目されることの多いインタフェースだけでなく、アルゴリズムも日々進化している」という。浜本階生社長は「Twitter解析に基づく人気記事の抽出など、言語問わず使える技術を中心に海外への展開なども検討していきたい」と今後の技術面でのノウハウ活用にも意欲を見せている。
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