とりあえず12万円以内に抑えてゲームマシンを組んでみる
最近の家電量販店のテレビ売り場には4Kテレビが目立つところに置かれていて、それなりに好調に売れている。PCのディスプレイもすでにフルHDが当たり前となっているが、近い未来にはより高解像度な画面でゲームを楽しむことも珍しくなくなるだろう。今回は、そんな将来を見越しつつ、なるべく価格を抑えてゲームマシンを組んでみたい。
現在はフルHDでそこそこゲームが楽しめる程度に抑えて、将来の増設のための拡張性だけは確保しておく。そうすれば、ハイエンド級の予算を確保しなくても済む。自作マシンには、そのときどきでスペックを自在に操れるというメリットもあるのだ。というわけで、以下のような構成を作ってみた。
将来の“フルHD超”を見越したゲームマシンを12万円以下で組む | ||
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パーツ | 製品名 | 価格 |
CPU | インテル「Core i5-4440」(3.1GHz/最大3.3GHz) | 2万480円 |
マザーボード | MSI「B85-G43 GAMING」(B85チップセット搭載) | 1万1980円 |
メモリ | CFD販売「W3U1600F-4G」(DDR3-1600 4Gバイト×2枚) | 7400円 |
HDD | シーゲート「Desktop SSHD ST1000DX001」(1Tバイト/SSDハイブリッド) | 9380円 |
グラフィックスカード | Inno3D「GeForce GTX 760 4GB HerculeZ 2000s」(GeForce GTX 760搭載) | 3万2980円 |
PCケース | Antec「SOLO II」 | 1万2800円 |
電源 | 玄人志向「KRPW-L4-600W」(600ワット) | 5170円 |
OS | マイクロソフト「DSP版Windows8.1 64bit」 | 1万2480円 |
合計金額は11万2670円。4Gバイトメモリを積んだGeForce GTX 760カードを軸に、現行のCore i5で最安の「Core i5-4440」(3.1GHz/最大3.3GHz)や、ゲーミング仕様ながら割安な「B85-G43 GAMING」、高速性とデータ容量を確保しつつSATAポートとドライブベイを消費しないハイブリッドHDDなどで価格を抑えた。
そのうえで、PCケースは静音かつ拡張性の高い「SOLO II」を妥協なく選択。マルチディスプレイ環境は映像ケーブルの物理的距離の制約を受けやすく、本体を耳の近くに置かざるを得ない場合が多いためだ。
この構成表を持って、ゲーム系パーツの品揃えに定評のある、パソコンショップ・アークに向かった。
見通しの甘さがダメっ! 将来のSLI構築を前提に背骨を作り直す大手術へ……
ダメ出ししてくれるのはアークのベテランスタッフ、松島広明さん。コンセプトを伝えて構成表を渡したところ、「……う〜ん」と唸ってしばらく考え込んでしまった。
その後、「少しだけ予算の枠を広げて、増設計画をかっちりきめませんか」と提案。「4Kでゲームをプレイするなら現行でGeForce GTX TITANを3枚挿しするくらいのスペックが必要になりますし、そこまでいかなくてもミドルレンジ2枚挿しくらいは想定したほうがいいと思います。その将来構成を想定すると、1〜2万円上乗せして背骨を強固にしたほうが結果的に安く済むと思います」と話す。
グラフィックスカードとマザー、PCケースあたりを固定して、適宜変更すればいいや〜くらいのボヤけた見通しをカチッとクリアにしてくれた。最初の長考で増設計画自体が高解像度化した気分だ。ありがたい! そして考えが甘くて恥ずかしい……。
背骨となるのは、電源ユニットとPCケース、マザーボードだ。松島さんは「価格の変動が比較的小さく、壊れたときの原因特定が難しい電源ユニットは、最初から増設後を想定して大容量で高性能なものを選んだほうがいいですね。PCケースも当然使い続けるので増設後に最適化しましょう。マザーボードは将来の交換があり得なくもないですが、ここが揺れると選択肢が広がりすぎて視点が定まらなくなるので、やはり増設後を想定したものにするのがいいと思います」とアドバイス。
電源ユニットで選ばれたのはシルバーストーンの「SST-ST85F-GS」だ。定格850ワットのプラグイン式ATX電源で、80 PLUS GOLD認証を取得している。「価格をある程度抑えつつ品質を重視するなら、コルセアかシルバーストーンがおすすめです。容量的には、将来ミドルレンジでSLIを組むと想定して、800ワット超を選びました」と説明する。価格は2万2980円。値が張ってもここは妥協しない。
PCケースはコルセアのATXモデル「Carbide400R CC9011011-WW」に切り替える。SOLO IIの拡張性やメンテナンス性を評価しつつも、「SLIを構築するならケース内の空気の通りがいいもの、フロント全面で吸気できるものということでこちらを選びました」とのこと。価格は1万2839円で、ほぼ変わらない。
続いてマザーボードは「SLI対応で割安なゲーミングモデル」という条件で選定。元の「B85-G43 GAMING」をグレードアップさせ、Z87搭載のゲーミング下位モデル「Z87-G45 GAMING」に変更した。価格は1万4980円だ。
もう1つグレードアップを図ったのはメモリ。仕様自体はDDR3-1600 4Gバイト×2枚で同じだが、「将来増設したメモリとの干渉リスクを抑えるため」に、安定した動作に定評のあるサンマックス製とした。価格は9515円。
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