ココが「○」 |
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・“3 VIEW STYLE”のコンパクトボディ |
・高品位な液晶、スピーカー、筆圧ペン対応 |
・11.6型の新型VAIOでは求めやすい価格 |
ココが「×」 |
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・約1.28キロと11.6型VAIOでは重め |
・VAIOモバイルノートでは駆動時間がやや短い |
・Haswell搭載の上位機より性能は控えめ |
はじめに:Bay Trail-M搭載でコンパクトな変形型モバイルPC
2014年春、新たな“2in1”がVAIOのラインアップに加わった。この「VAIO Fit 11A」は、液晶ディスプレイをクルッと回転させて裏返す、ソニー独自の変形機構により、3つのスタイルで使える「VAIO Fit A」シリーズ最小の11.6型モデルだ。
同シリーズは、これまで15.5型の「VAIO Fit 15A」、14型の「VAIO Fit 14A」、そして13.3型の「VAIO Fit 13A」を展開してきたが、ここに11.6型モデルが追加されたことになる。画面が小さくなったぶん、ボディが小さく、薄く、軽くなり、アーキテクチャも変更することで、購入しやすい価格帯におさめているのが見逃せない。
製品コンセプトは13.3型以上のモデルと同様だ。一般的なPCユーザーにとっての使いやすさを意識した2in1デバイスで、テーマとして「従来型クラムシェルノートPCの機能と使い勝手を100%確保」しつつ、それに加えて「スタイルチェンジによる新しい体験ができること」を掲げている。そのために「マルチフリップヒンジ」と呼ぶ液晶回転機構を開発し、通常のクラムシェルノートと同じ「キーボードモード」のほか、「ビューモード」に「タブレットモード」と、3つのスタイル(ソニーは“3 VIEW STYLE”と呼ぶ)を簡単に切り替えて使うことが可能だ。
一方、VAIO Fit 11Aでは、カジュアルさやアフォーダブル(購入しやすい)であることを強く意識しており、基本システムもHaswellこと第4世代Coreではなく、Bay Trail-Mの名で開発が進められてきた新しいモバイル向けのPentium/Celeronを採用している。タブレットでの採用例が多いAtom Z3770(開発コード名:Bay Trail-T)などと同じSilvermontアーキテクチャを採用したエントリーモバイル向けのSoC(System on Chip)だ。
Bay Trail-Tとの違いは主にインタフェース部分で、メモリサポートがDDR3Lであったり、Serial ATA 3Gbps、PCI Express 2.0をサポートするなど、タブレットに特化したBay Trail-Tに比べて汎用(はんよう)性が高く、省電力よりは性能方向に振った仕様となっている(InstantGoには対応しない)。また、OSは64ビット版Windows 8.1だ(現状でBay Trail-T搭載機のOSは32ビット版に限られる)。
店頭販売向けの標準仕様モデルはコストパフォーマンスを重視した1モデル「SVF11N19EJS」のみの展開だが、ソニーストアで購入できるVAIOオーナーメード(VOM)モデル「SVF11N1A1J」では、よりハイスペックな構成を含めて、主要パーツやソフトウェアの有無をカスタマイズしてオーダーできる。今回はVOMモデルの最上位スペック構成(試作機)を入手できたので、性能や使い勝手をチェックしていこう。
ボディと製品概要:クールなデザインは健在 画質と音質にもこだわり
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