CES東芝ブース、4KはPC分野にも
米国・ラスベガスで開催されている展示会「2014 International CES」で、東芝は近未来のプロダクトを集めた「Future Zone」と、米国向けの新製品が並ぶ「Current Zone」に分けられたブースを出展。「Current Zone」には、2013年から登場がうわさされていたGoogleのChrome OSを搭載するChromebookも初お目見えした。
国内メーカーとしては初となる東芝製のChromebookは、13.3型の1366×768ドット表示ディスプレイを搭載した、一般的なクラムシェルスタイルのノートPC。CPUには開発コード名:Haswell世代のCeleronを採用。2Gバイトのメインメモリに16GバイトのSSDを備え、バッテリー駆動時間は9時間となっている。北米より2014年2月16日に発売が予定され、価格は279USドル(日本円換算約2万92673円 2014年1月10日時点)となかなか低価格。価格には、クラウドストレージサービスであるGoogleドライブ100Gバイト分を2年間無料で利用できる権利が含まれている。
Chrome OSはすべてのアプリがブラウザ上で機能し、ユーザーはGoogleアカウントでログインすることで、クラウド上に保管されている自分のデスクトップ環境を即座に呼び出せる。OSのアップデートなどもすべて自動化される仕組みのため、管理もこれまでのPCより容易に行える点も“使えればよい、あまり機器にはこだわらない層”へのポイントだ。
そして安価な価格設定に加えて、共用端末などとしても扱いやすいため、特に米国では教育の現場などでChromebookの需要が高まっている。東芝もまずは教育市場へ、さらにGoogle Appsを利用する法人ユーザーに向けて、Chromebookを展開したい考えだ。ただ、日本での展開については現時点、未定である。
プロ、コンシューマーの両面からアプローチする“4K”ノートPC
Chromebookと並び「Current Zone」に大きく展示されていたのが、CES開幕前の同社プレスカンファレンスでも披露された、4Kディスプレイを搭載したノートPC 2機種だ。
「4K出力対応」とするPCはこれまでにも存在し、東芝も2013年秋冬モデルですでにプッシュしていた。ただ、こちらはあくまで出力できる性能を持っているだけで、4Kコンテンツを表示するには別途4K表示対応の大画面テレビ/ディスプレイが必要だった。対して、“4K”ノートPCはその名の通り4K表示対応ディスプレイを“搭載”した製品である。東芝によるとおそらく世界初という。
展示されていたのは米国市場向けモデルの「Satellite P50」と「Tecra W50」をベースにしたノートPCで、前者がコンシューマー向け、後者がプロフェッショナル向け4Kモバイルワークステーションという位置付けだ。
コンシューマー向け4KノートPCとしては、すでに一部で配信がはじまっている4K動画コンテンツの視聴はもちろん、高解像度写真を実サイズ/実解像度に近い環境で扱いたいハイクラス志向のユーザーに向けて訴求する。解像度の高さを生かし、画面右端に作業中ウィンドウのサムネイルを並べて表示し、さらにそのサムネイルの中でピンチ操作による拡大/縮小などの操作を可能とする独自の高解像度ディスプレイ対応サブUI「Split Screen」も用意する。
一方の4Kモバイルワークステーションは、3D CADなどプロフェッショナル業務での作業環境を求める層向け。GPUにNVIDIA Quadroシリーズを内蔵し、4Kクラスの高解像度でもストレスが少ない描画速度を実現する。いずれも2014年半ばをめどに市場に投入される予定だ。
「Current Zone」には、このほかに日本未発売の13.3型の2in1マシン「Satellite Click」、日本でも2013年後半にリリースされたWindows8.1搭載8型タブレット「Encore 8」(日本製品名は「dynabook Tab VT484」)、同じく2in1 Ultrabook「Portege Z10t」(日本製品名は「dynabook V714」)なども展示。また、Androidタブレット「Excite」シリーズ(日本製品名は「REGZA Tablet」)は、2013年にリリースされた7型エントリーモデル「Excite 7」(日本製品名は「REGZA Tablet AT374」)を、さらに新興国市場向けに低価格化したモデルや、デジタイザペンによる手書き入力機能を備えた10.1型の「Excite Write」も展示されていた。
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