米Amazon.comは韓国Samsung Electronicsのほか、米Warner BrosやLionsgateなどのメディア大手と提携し、超高精細の「4K」テレビの普及促進に共同で取り組む計画だ。
Amazonは「Instant Video」サービスで何千種類もの映画やテレビ番組を配信し、オンライン動画サービス大手のNetflixと競合している。Amazonは1月6日の発表では、各社との提携の詳細については明らかにしていない。
Samsungを始めとする家電各社が期待しているのは、4Kテレビの普及が進み、売り上げ回復につながることだ。4Kテレビは、従来のハイビジョンテレビの4倍の解像度を持つことから、こうした呼び方をされている。
ラスベガスで開催中の「Consumer Electronics Show」(CES)では、Samsungも別個に声明を発表し、4Kテレビの販売促進でNetflixの他、ケーブルテレビ大手Comcastや衛星テレビ大手DirecTVなどのコンテンツディストリビューターと提携すると発表している。
Amazonがデジタルメディアに積極的に投資している背景には、消費者のテレビ離れが進み、オンデマンドコンテンツを好むユーザーがますます増えていることから、デジタルコンテンツでトラフィックを呼び込み、新たな売り上げにつなげたいとの狙いがある。
4Kテレビは、パネル価格の高さや対応コンテンツの不足もあり、普及に時間がかかっている。ハイビジョンテレビも、価格が下がり、対応コンテンツが豊富にそろうまでは普及が進まず、メインストリームになるには何年もかかった。
Netflixは人気の政治サスペンスドラマ「House of Cards」のシーズン2を既に4Kで撮影しており、4Kで放送する予定という。4K対応の初めてのメジャーなテレビシリーズの1つとなる。
Amazonのデジタル映画および音楽担当副社長、ビル・カー氏は声明で次のように語っている。「ユーザーにとって真の4K体験を生み出すためには、われわれが共同で取り組むべき要素が数多くある」
「優れたコンテンツや互換性のあるデバイスだけでなく、美しく再生できるような方法でコンテンツをデバイスに配信するサービスも必要だ」と、同氏は続ける。
6日の発表において、Amazonは提携相手となるメディア企業として、20th Century FoxとDiscoveryの名も挙げた。さらにAmazonは、2014年に予定しているオリジナルコンテンツをすべて4K画質で撮影する計画であることも明らかにしている。
関連記事
- 歳末商戦“救世主”になれない「4Kテレビ」 大きい、高い、コンテンツがない
4Kテレビは歳末商戦の「目玉」として取り上げられたが、話題性に比べると売れ行きは伴っていない。だが関心は高く、“客寄せディスプレー”としては機能しているようだ。 - Amazon.com、オリジナルコンテンツを4K解像度で提供へ
Amazonが来年オンラインで公開する予定のオリジナルのコメディとドラマを、4K解像度(3840×2160)で提供すると発表した。
copyright (c) 2014 Thomson Reuters. All rights reserved.
(翻訳責任について)
この記事はThomson Reutersとの契約の下でアイティメディアが翻訳したものです。翻訳責任はアイティメディアにあります。記事内容に関するお問い合わせは、アイティメディアまでお願いいたします。
(著作権、商標について)
ロイター・コンテンツは、トムソン・ロイター又はその第三者コンテンツ・プロバイダーの知的財産です。トムソン・ロイターから書面による事前承認を得ることなく、ロイター・コンテンツをコピー、再出版、再配信すること(キャッシング、フレーミング、又はこれらと同等の手段による場合を含む)は明示的に禁止されています。トムソン・ロイターは、コンテンツの誤謬又は遅延、或いはコンテンツに依拠してなされたあらゆる行動に関し一切責任を負いません。 Reuters(ロイター)及びReuters(ロイター)のロゴは、トムソン・ロイター及びその関連会社の商標です。ロイターが提供するその他のメディア・サービスについてお知りになりたい場合は、http://about.reuters.com/media/をご参照ください。