「タッチの次」のユーザーインタフェースとは
普段から使い続けていると意外に気にはしていないものだが、われわれが普段触れているPCやスマートフォンのユーザーインタフェース(UI)は年々使いやすくなっている。とはいえそれは「コンピュータとの対話のための特殊な方法」であり、われわれ人間が普段行うコミュニケーション方法とは大きく異なるものである。
「われわれ人間は相手と会話するために普段からタッチを駆使することはない。ゆえに、これがナチュラル(自然)なインタフェースとは思わない」(インテル シニアバイスプレジデント兼パーセプチュアルコンピューティング担当ジェネラルマネージャのムーリー・エデン氏)
そんなインテルがナチュラルなUIの実現を目標に行ったのが「From Science Fiction to Reality(SFの世界から現実へ)」という題名の2014 International CESプレス発表会だ。
CUIからGUI、そしてタッチと進化してきたコンピュータ操作のためのUIだが、これらはエデン氏が言うように「人間言語」からは遠い「コンピュータ言語」に過ぎない。かつて、宇宙旅行をアシスタントする未来(すでに過去だが)の人工知能や、人間のよき相棒になるしゃべる自動車、そして最近では天才エンジニア社長の発明や活躍を助けるコンピュータアシスタントなど、SFの世界ではさまざまなマンマシン・インタフェースが考案され、実際にそういった世界の実現を夢見た読者も多いと思う。インテルはそんなUIを「Natural(自然)」で「Intuitive(直感的)」で「Immersive(のめり込む)」の頭文字より「NII」と述べているが、こうした想像をより現実なものに近付けるのが今回発表した「RealSense」という技術だ。
こちらは、マイクロソフトの「Kinect」のような3Dモーションセンサーを想像してもらえるとひとまず分かりやすいが、3Dセンシングのための専用ハードウェアを外付けで追加するのではなく、既存プラットフォームに組み込み可能な、小型で安価な専用モジュールを用意した点が最大のポイントだ。技術自体は過去2年ほどに渡って何度もデモストレーションされてきたものだが、今回これが「RealSense」という正式名称が付けられて登場した。モジュールは人差し指程度のサイズの基板で実現し、ノートPCやタブレットなど身近なIT機器のカメラ部やベゼルに収める形となる。示されたデモ機でも既存のノートPCのスタイルと大差なく、あとはコストだけの問題だろう。
Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.