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第39回 新幹線の車窓からiPhoneで富士山を撮る

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 2014年の正月、東京から東海道方面を西へ新幹線で帰省していたみなさま、お疲れ様でした。わたしも思い切り、3日に有楽町駅近隣で発生した火災の影響を受けてエライ目にあったわけだけど、それでもなんとかふたりがけの席をゲット。東海道新幹線はDE側(つまり2人席側)に乗ることに決めているのだ。富士山が見えるから。車窓から見える富士山が好きなのですよ。工場だらけの前景も含めて。

 で、富士山が見えると何をするかというと、iPhoneを取り出して撮るわけであるが、そのときのコツの話を。

 iPhoneで新幹線から富士山を撮るとき問題になるのは2つ。

 ひとつは「前景が思い切りゆがんで写る」こと。この話は以前もした(荻窪圭のiPhoneカメラ講座:第6回 電車を撮ると歪んで写る理由とその対策)。もうひとつはちょっとでもタイミングがずれると手前に鉄橋やら鉄柱やら高架沿いのビルやらがかぶって富士山が隠れちゃうこと。

 この2つを解決する。

 まず前景が思い切りゆがんで写る話だけど、これは「ローリングシャッターゆがみ」と呼ばれてて、高速に動いているものを撮ると(あるいはiPhoneを高速に動かしながら撮ると)どうしても出ちゃう。避けられない。両方が重なるとこんなことになる。ぐにょん。

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 さてどうするか。

 まずは「連写」する。特にiPhone 5sは高速連写機能を持ってる。新幹線から富士山を撮る時は(まあ高速で移動する乗り物から風景を撮るときは、と言い換えるべきだけど)、カメラボタンを長押しして、1〜2秒くらい撮り続けるべし。

 で、あとからいい感じの写真を選択してやればOK。

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 選択が終わったら「完了」をタップする。

 ちなみに、最初の1回はこんな画面になるので、「使えない写真は消しちゃいたい」ときはここで「〜枚のお気に入りのみ残す」にすると、他の写真を消してくれる。

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 で、前景に何もない写真を連写した中から見つけ出したけど、どうにもこうにも電線が邪魔である。そこでアプリ「Touch Retouch」の登場。

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 うまく電線が消えたら、窓越し撮影によってちょいと色がくすんでコントラストもいまひとつなので、次はそちらを補正する。使うアプリはいつもと同じ「snapseed」。いくつか試したけど、これが一番簡単で効果的なので。

 まず自動補正をかけて色をちょいと直し、続いて、傾きを補正。

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 さらに、「snapseed」の新機能「HDR SCAPE」を使ってみた。HDR風に写真を加工する機能だ。

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 そして仕上げにTILT-SHIFT機能で上下にぼかしをかけ、

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 ちょいとクロップして仕上げたのがこちら。

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 元の写真と比べてもらえると面白いかと思う。

 でも、前景を入れたまま富士山を撮りたいってこともある。

 そんなときは「縦位置」で撮ればいい。高速被写体のゆがみはCMOSセンサーの方向によって変わるので、縦位置で撮ればぐにょんとはならないのだ。普通にこんな風に撮れる。

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 つまり「iPhoneを縦位置にして高速連写してあとからきれいに撮れてたものを選ぶのが一番簡単」なのだ。これで車窓から富士山を撮っても、前景がゆがんだりタイミングがずれて余計なものがかぶったりしなくなる。

 新幹線からの富士山って、ほんのちょっとの間に前景がめまぐるしく変わり、その都度雰囲気ががらっと変わるのが面白いのだよね。

 新幹線の窓越しだと画質的にキツいものがあるので、ちょっとレタッチしてスクエアにしてみたものを3枚。

photo小田原側から3本の電柱(でいいのかな)とともに
photo工場街と合わせてみた。新幹線から見る富士山ってこういうイメージがある
photo富士川越しの富士山。一瞬だけど、このときが一番富士山の全貌を楽しめる気がする

 こういう話は昨年末にしといてくれ、といわれる気がしないでもないが(自分でもそう思うし)、まあわたしも帰省する新幹線に乗って思いついたのでご容赦下さい。

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