ブックウォーカーは12月18日、電子書店「BOOK☆WALKER」で、青空文庫の無料配信とEPUBファイルの提供、そして、青空文庫を支援する「本の未来基金」へのポイント寄付の受付を開始した。
青空文庫は、著作権の切れた作品を中心に1万2000点以上の電子化を行い、無料・無許諾で利用可能としているボランティアベースの電子図書館。今回ブックウォーカーでは、青空文庫で公開されているデータ(約1万2000作品)を、先日公開した「KADOKAWA-EPUB 制作仕様」に基づいたEPUBに自動変換、BOOK☆WALKERで無料配信する。まずは約1500作品が配信されており、順次拡充する考え。
青空文庫のEPUB版も珍しいが、ブックウォーカーの取り組みはそれにとどまらない。今回、BOOK☆WALKERでは、通常の無料作品として配信するだけでなく、EPUBファイルそのものをダウンロードできる機能を用意。これはEPUB形式による青空文庫の再配布といえる。
EPUBファイルのダウンロードにはBOOK☆WALKERへの会員登録が必要となるが、より多くの人が、より自由に触れられるようにしたのは青空文庫の理念をよく理解した取り組みといえる。
さらに注目したいのは、BOOK☆WALKERは青空文庫の配信開始に合わせ、同ストアのポイントを「本の未来基金」に寄付できる、業界初のポイント寄付サービスの提供も開始したことだ。本の未来基金は、青空文庫の活動を将来にわたって支援するために、2013年9月に設立されたもの。
ポイント寄付は1ポイントから受け付けており、1ポイント当たり0.5円(例:1000ポイント→500円)をブックウォーカーから同基金に寄付する。青空文庫のコンテンツを活用するだけでなく、読者が青空文庫の理念に共感しその活動を支援したいと思った場合の道筋を用意したのは高く評価されよう。
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